「親が元気なうち」に考える”親亡き後” 家族だけで抱え込まないという選択 (1/3ページ)
「親が高齢になったとき、この子はどうなるのか」――障がいのある家族を支える家庭では、こうした問いが日常のなかに静かに積み重なっていく。親の高齢化や地域のつながりの希薄化を背景に、いわゆる”親亡き後問題”は、もはや特定の家庭の悩みではなく、地域福祉全体に関わる課題として広がりつつある。
家族はどんな不安を抱え、現場はそれをどう受け止めているのか。愛媛県西条市で障がい者の住まい・生活支援・就労支援に取り組む株式会社リビングサポート研究所 代表取締役・浦田義隆氏に、現場から見える家族の姿について聞いた。
入居前、家族が抱えやすいのは「生活」「安全」「将来」への複合的な不安入居前に家族が抱える悩みは一つではないと、浦田氏は話す。「一人暮らしは難しそうだが、このまま自宅で支え続けられるのか」という限界感、夜間の見守りや服薬・金銭管理など日常生活の抜け漏れへの心配、対人関係のトラブルや孤立、就労や社会参加が進まないことへの将来不安――こうした課題が同時に重なっているケースが多いという。
加えて、「本人が新しい環境に馴染めるか」「他の利用者とうまくやれるか」といった共同生活への懸念も少なくない。だからこそ、入居後の生活イメージを家族と具体的に共有し、漠然とした不安を”見える化”していくことが、最初の重要なステップになる。
※共同生活援助施設スミレ 外観の様子
※共同生活援助施設スミレ 内観の様子暮らしが整うと、本人の表情も家族の空気も変わる
支援につながった後、本人と家族の双方に変化が生まれる事例は多い。