受動喫煙はもはや「マナー」の問題ではない、年間1万人以上の命を奪う“他者危害”「世界禁煙デー記念イベント」 (2/4ページ)

TREND NEWS CASTER

ルールが「知っているようで知らない」状態にあることが、対策の停滞を招いている現状が浮き彫りとなった。

続いて登壇した中村正和氏(地域医療振興協会)による基調講演では、なぜ「マナー」ではなく「ルール」が必要なのかという本質的な問いに対し、医学的・哲学的な視点から明確な回答が示された。

中村氏は受動喫煙の本質を「他者危害性」という言葉で表現する。ジョン・スチュアート・ミルの『自由論』を引き合いに出し、「文明社会において、他人に危害を及ぼす行為を防止することは、権力を行使する唯一の正当な目的である」と説いた。マナーは個人の善意に依存するため、配慮の程度に差が生じ、結果として守られない人々が生じてしまう。日本では受動喫煙が原因で年間約1万5000人が命を落としているという冷厳な事実がある以上、これは善意の問題ではなく、法によって解決すべき健康課題だと言える。

中村氏は、法規制が進んだ国々で心疾患や呼吸器疾患の入院リスクが有意に低下しているエビデンスを提示しつつ、日本の評価はWHOの基準でまだ「下から2番目」であり、事務所や飲食店の完全禁煙化など改善の余地が多分にあることを指摘した。

イベント後半のパネルディスカッションでは、現場での実践例が紹介された。オムロン ヘルスケア株式会社の行方純一氏は、社員の喫煙率ゼロを目指す歩みを語った。

「受動喫煙はもはや「マナー」の問題ではない、年間1万人以上の命を奪う“他者危害”「世界禁煙デー記念イベント」」のページです。デイリーニュースオンラインは、たばこ対策改正健康増進法世界禁煙デー受動喫煙カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る