奏楽堂の沈黙を越えて、バッハのカンタータを次世代へ——藝大バッハカンタータクラブがセカンドゴール160万円に挑戦 (2/5ページ)

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東京藝術大学奏楽堂の使用停止により、学生主体の定期演奏会に転機

 東京藝術大学バッハカンタータクラブは、1970年に結成された学生団体です。J. S. バッハの教会カンタータを中心に演奏することを目的とし、現在は声楽科・器楽科に限らず、楽理科、作曲科、美術学部など多様な専攻の学生約70名が在籍しています。演奏だけでなく、練習運営、外部交渉、資金調達、広報、当日の運営まで、活動の多くを学生自身が担っています。
 同クラブは、長年にわたり東京藝術大学奏楽堂を定期演奏会の主要な会場としてきました。しかし、2026年2月26日、同奏楽堂の舞台上部天井音響反射板が落下する事故が発生し、大学は施設全体の安全確保のため、2027年3月までの使用停止を発表しました。これにより、2027年定期演奏会は従来通りの学内開催が困難となり、学外ホールでの開催を目指すこととなりました。


半世紀以上続く「学びの場」の継続

 本プロジェクトが目指すのは、一回の演奏会の実現だけではありません。
 バッハの教会カンタータは、音楽作品であると同時に、ヨーロッパの宗教文化、言葉、思想、共同体の記憶を内包する作品群です。東京藝術大学バッハカンタータクラブでは、学生たちがこれらの作品に演奏を通して向き合い、異なる歴史や信仰、精神文化を学ぶ実践の場として活動を続けてきました。
 声楽、器楽、古楽、理論、文化など、多くの視野が交差するこの活動は、通常の授業や個人レッスンだけでは得難い、実践的かつ総合的な学びの機会でもあります。
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