小林製薬紅麹事件研究解説青カビ説の崩壊——小林製薬自身の説明が内包する「現場の常識」への根本的矛盾 (4/5ページ)

バリュープレス




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■ ⑥ 食品製造従事者への敬意と、問われるべき責任の所在
 私は14年間、食品製造業の代表取締役として、紅麹を含む発酵食品の製造に携わってきた。その経験から断言できることがある。
 食品工場で働く従業員は、法令より先に「これは食べてはいけないもの」を知っている。カビの異臭、変色、設備の異常——これらを最初に察知するのは現場の作業者である。HACCPの概念を知らなくても、「カビが生えたものを出荷してはならない」は職業人の常識である。
 もし報告書が示唆するような品質管理の崩壊が実際にあったとすれば、それは従業員の問題ではなく、経営の問題である。GMP認証を取得せず、第三者チェックの機会を持たず、人手不足を常態化させ、現場担当者に品質管理を含む全業務を一任した——これらは事実検証委員会自身が認定した事実である。
 責任の所在を現場の従業員に帰することは、食品製造に真摯に向き合う全ての製造従事者への冒涜である。
■ ⑦ 青カビ説に残る本質的疑問
 以上の分析を踏まえ、青カビ(Penicillium adametzioides)原因説について、以下の疑問が解消されていない。
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