小林製薬紅麹事件研究解説 紅麹コレステヘルプ(BP-412株)と抗生物質の製法との比較——工業性変異株の使い方についての比較調査 (5/6ページ)
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4NzA5MSMzNzU2MTQjMzc1NjE0XzFjMjM0MjZkMDE3OTBkNjdkNWM4YjEzMDI4NzgwMmVhLnBuZw.png ]
医薬品製造においても、工業性変異株が産生する予期しない代謝物の問題は認識されている。だからこそ精製が必須とされている。医薬品製造では、安全性確保のために副生成物を分離・管理する設計が採用されている。紅麹コレステヘルプは、その設計上の要請を満たさないまま機能性表示食品として市販された。
■ ⑥ それでも小林製薬は補償すべきである
原因物質の特定が困難であることは、小林製薬の責任を軽減しない。同社は以下のすべてを知り得た、あるいは知るべき立場にあった。
・ BP-412がUV変異処理工業株であること
・ 精製工程なしで発酵物全体を製品化していること
・ 47日間の長期固体培養を行っていること
・ その代謝プロファイルに対する食経験が存在しないこと
・ 錠剤という投与形態で特定成分の継続的な体内蓄積が生じること
これらを承知の上で、安全性の空白を埋めないまま機能性表示食品として市販した。食経験のない代謝物に消費者を暴露させたという設計上の事実が、補償義務の根拠となる。