なぜ日本はタバコが専売制になったのか?“印紙”を貼っても止まらなかった脱税タバコの実態と産業保護 (3/3ページ)
専売制によって産業保護へ
葉タバコの専売に続き、明治三十三年にはタバコの製造と販売も国の専売となりました。これは日露戦争の戦費調達が目的でしたが、業界の反発は意外と少なかったようです。
当時は、イギリスとアメリカの合弁企業であるBAT社が世界市場を席巻しており、日本でも輸入タバコが増えていました。
国内のタバコ業者にとって外国企業との競争は大きな脅威であり、専売制によって計画的に製造販売ができることは、むしろ救済措置として受け止められた可能性があります。
つまり国は専売化によって輸入量を制限し、国内産業を守る政策を進める結果になったわけです。
こうした仕組みは現在のタバコ税制度にも影響を残しており、タバコが依然として重要な税収源である背景には、明治期に築かれた専売の思想があるのです。
まとめると、タバコが専売制になった理由は単なる財源確保だけではなく、脱税防止・産業保護・国家財政の安定という複数の目的が重なった結果だったと言えるでしょう。
現代は、愛煙家の人たちはやや肩身が狭い時代ですが、このようにタバコ産業が手厚く守られていた時代があったんですね。
参考資料:
大村大次郎『脱税の日本史』宝島社、2024年
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