なぜ「AI PC」はビジネス価値に転換しきれていないのか? ――クラウドの課題を克服し、ローカル処理が迫る「業務基盤の再設計」 (3/3ページ)

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さらに、通信環境の不安定さや外部サービスの仕様変更に影響されないビジネス継続性の確保という面でも、クラウド以外の選択肢を持つことは企業のリスク分散に繋がると安生氏は話す。

一方で、情報システム部門がローカルアプリの導入やセキュリティポリシーの策定を個別に進めるには、社内検証の手間や運用の負荷が新たに発生するため、全社的なコスト削減効果とのバランスを慎重に評価しなければならないという構造的論点が存在する。

「アラカルト方式」のローカルAIが示す展望――開発者とユーザーの新たな共生モデルの構築へ

今後の展望として、同社は会議の文字起こしなど日常業務をPC上で行う「ローカルAI体験」が確実に広がると見ている。将来的なエージェントAIの普及も見据え、まずは業務データを安全に扱う土台づくりを進める方針だ。また、同社が運営する「AI Edge Hub®」では、ライセンス販売収益を開発者に還元するスキームを構築し、実務に役立つアプリ開発を促す市場づくりに取り組んでいる。

安生氏は、導入を躊躇する企業に対し、巨大なシステムを一斉導入するのではなく、必要なアプリを選ぶ「アラカルト式」を推奨する。効果が見えやすい会議業務などから小さく始めることが現実的だ。同社は今後もホワイトペーパー等で知見を提供していく方針を掲げている。

AI PCが浸透するなか、同社のプラットフォーム化や収益還元モデルが企業の業務改善や開発者コミュニティの活性化にどう影響するかは、今後のアプリ拡充や導入動向次第で具体化していく。

【取材協力】
株式会社K-kaleido
代表取締役 / 工学博士  安生 健一朗
https://k-kaleido.com/

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