「受診者が最大3倍に」150円の自己負担でも断る人が皆無だった理由 ――がん検診の「心理的ハードル」を下げる環境整備 (2/3ページ)

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「患者視点」への転換はなぜ遅れたのか――メディア報道が動かした150円の選択肢

同社が開発・提案を進める「検診用使い捨て紙パンツ(羞恥心軽減パンツ)」は、股の部分に切り込みを入れて露出部を狭くし、両サイドを縫い合わせることでめくれを防ぐ仕様となっている。事業者側の説明によれば、これは従来の医療従事者側の効率性を重視した検査衣ではなく、受診者側の視点に立った設計であるという。

しかし、発売当時の医療機関の関心は薄く、特に男性医師の間では女性の羞恥心への配慮という意識が共感されにくかったため、導入は全く進まなかったと同氏は振り返る。

転機となったのは、NHKの番組「あさイチ」で製品が取り上げられたことだった。番組放映後、全国の生活者から注文が相次ぎ、購入したパンツを受診者が医療機関に持参する動きが生じたことで、医療機関側の意識にも変化が現れ始めたとされる。現在はオンラインストア等でも個人向けに出品されており、購入者が自主的に普及活動を行うケースも見られると同社は説明する。

ただし、受診者が個人で製品を購入して持参するという形態や、一部の医療機関が1枚あたり150円の自己負担額を設定して提供する試みは、検診環境の改善における過渡期の現象という見方もでき、一律の標準仕様としての普及には依然としてコスト負担の在り方を巡る課題が残る。

受診者数が2〜3倍へ急増――150円負担でも「断る人は皆無」という現場のリアル

同社の説明によれば、同製品を導入した医療機関からは「検査受診者が2〜3倍に増加した」との報告や感謝の声が寄せられているという。あるクリニックでは、受診者に1枚150円の費用負担を求めたものの、利用を断る受診者は皆無であったとされる。

このような事例が口コミで広がり、近隣の婦人科医療機関からの問い合わせも増加傾向にあると同社は説明する。

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