【豊臣兄弟!】「自分を殺そうとした男」の側室に…秀吉に処刑されかけた姫・南局を襲った数奇な運命 (3/5ページ)
耐え切れなくなった豊国は、ついに降伏を申し出ます。
「やめろ、やめてくれ!降伏する!降伏するから茜だけは助けてくれ!」
父親として、目の前で茜が殺されることには耐えられませんでした。
……あの娘を殺させたらんは。吾浮世に在て何かせん。出家入道して。高野粉川の奥にも入ぬべし。身を捨(すて)国を切取も。子共等か栄耀を思ふにこそあれ……
※『陰徳太平記』巻之六十四「山名豊国心替付森下中村背豊国事」より
【意訳】茜が殺されてしまったら、わしはこの世で何をすればよいのか。出家して高野山に籠もるしかない。親というものは、命を捨てて一国の主となっても、子供たちが幸せになる以上の望みなどないのだ。
それはもちろん、ごく当然の感情ではあるのですが、すでに妻子を殺されてしまった家臣たちは
「どうせ降伏するのだったら、最初から降伏すればよかったではないか!」
「そうすれば我々の妻子は殺されずにすんだのに、これではまったく殺され損ではないか!」
「自分の娘が可愛いのは当然だが、他人である我々家臣の妻子など、どうでもいいと思っていたことがよく分かった!」
など、豊国を深く恨んだことでしょう。助けられた茜に対しても、複雑な思いを抱いたであろうことは想像に難くありません。
