医師はいるのに「受診できない」――医療アクセスの盲点とは (2/4ページ)

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赤松氏によると、病院側が当直体制や医師派遣を確保できない一方、患者側も仕事や交通手段などの事情から診療時間内に受診できず、症状を我慢するケースがあるという。受診が遅れれば、早い段階で相談できた症状が悪化し、結果として救急医療への負担が増す可能性もある。

こうした問題は、医療者が不足しているか否かだけでは説明しにくい。医師が勤務している時間、対応できる診療科、患者が移動できる距離を組み合わせて考える必要がある。医療アクセスとは、医師の配置だけでなく、診療時間や交通、患者の就労環境まで含む問題なのである。

もっとも、夜間・休日の受診先を増やせばよいという単純な話でもない。限られた医療人材を長時間稼働させれば、医師や看護師の負担が増える。患者の利便性と医療従事者の持続可能な働き方をどう両立するかが構造的な課題となる。

オンライン診療は「代替」ではなく導線になれるか

オンライン診療は、医療機関へ移動せずに医師へ相談できる手段として利用が広がっている。ただし、対面診療を全面的に置き換えるものではない。厚生労働省の指針でも、オンライン診療には得られる情報の限界があり、患者の状態に応じて対面診療へ切り替えることが求められている。

クラウドドクターの説明によれば、同社は複数の医療機関に所属する医師のネットワークを活用し、夜間・休日を含むオンライン診療体制を運営している。赤松氏によると、登録医師は1000人を超え、診療後の処方箋送付、薬局との連携、医薬品の配送までをつなぐ仕組みを整えているという。

診察だけをオンライン化しても、薬を受け取れなければ患者の課題は解消しない。診療、服薬指導、薬の受け取りまでの導線を設計することは、オンライン医療の実効性を左右する要素となる。多言語対応も、外国人居住者や訪日客にとっての選択肢を広げる可能性がある。

もっとも、オンライン診療では触診や詳細な身体診察ができない。胸痛や呼吸困難、意識障害など緊急性が疑われる症状には適さず、年齢、既往歴、症状の程度を踏まえた適応の選別が前提となる。利便性が高まるほど、安全管理と対面診療への切り替え基準が問われる。

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