医師はいるのに「受診できない」――医療アクセスの盲点とは (3/4ページ)

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「受診施設」の制度化で離島医療は変わるか

オンライン診療の普及を左右するのは、自宅から接続できる人だけではない。通信機器の操作に不慣れな高齢者や、自宅でプライバシーを確保しにくい人への支援も必要である。

2026年4月施行の改正医療法では、患者がオンライン診療を受ける専用の場所として「オンライン診療受診施設」が位置づけられた。制度上は、医療機関以外の施設でも一定の要件を満たせばオンライン診療の受診場所となり得る。施設には安全性やプライバシー、情報セキュリティへの対応が求められる。

赤松氏は活用場面として、離島や中山間地域、医療機関の休診が重なる時期を挙げる。同氏によると、新潟県佐渡島では、看護師が患者に付き添い、島外の専門医による診療へつなぐ来院型オンライン診療の取り組みを進めているという。移動負担を抑えながら専門医療へつなぐ導線の一つと位置づけられる。

一方で、施設を設置するだけでは医療提供体制は成立しない。看護師などの人材確保、対面診療を担う地域医療機関との連携、緊急時の搬送先、費用負担や責任分担を決める必要がある。制度の実効性は、地域ごとの運用体制を構築できるかに左右される。

生活者は平時に「つながり方」を知っているか

医療アクセスの断絶を減らすには、制度や事業者側の整備だけでなく、生活者が平時から相談先を確認しておくことも重要である。

赤松氏は、オンライン診療を既存医療の代替ではなく、補完的な選択肢と位置づける。まずはかかりつけ医を持ち、連休やお盆、年末年始の前に常用薬の残量や診療日を確認することが基本になると話す。そのうえで、夜間や休日の急な体調不良に備え、地域の休日診療所や救急相談窓口を把握しておく必要がある。

消防庁が普及を進める救急安心センター事業「♯7119」は、救急車を呼ぶべきか、すぐに医療機関を受診すべきか判断に迷った際に、医師や看護師、相談員などへ電話で相談できる仕組みである。ただし、実施地域や受付時間は地域によって異なるため、居住地域での利用可否をあらかじめ確認する必要がある。

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