「背中を見て学べ」はもう通用しない?世代間ギャップを埋める実践型研修の可能性 (2/3ページ)
同社代表の滝井氏は会社員時代、「仕事が忙しいなか、会社から言われて参加する研修」に、十分な有用性を感じられないことがあったという。自身が研修に関わるのであれば、参加者に何らかの学びが残る内容にしたいと考え、グループワークやゲームを取り入れるようになったと説明する。
研修では、座学で知識を学んだ後、その知識が必要となるゲームやグループワークを行い、「知っている」ことと「できる」ことの間にあるギャップに気づいてもらう。さらに振り返りを行い、職場でどのように実践するかまで考えることで、学びを行動につなげることを目指している。
もっとも、ゲームを取り入れること自体が目的ではない。同社では、ゲームを通じて得た気づきを振り返り、「これが配属先の現場だったらどうするのか」を考えたうえで、実際の職場で実践を重ねることを重視している。こうした「気づき」「振り返り」「実践」のサイクルを繰り返すことで、知識を現場で活用できるスキルとして定着させる考えだ。
管理職の意識改革 組織を変える「実践型研修」の現在地前述した世代間ギャップに対応するため、同社では、若い頃に見よう見まねで仕事を覚えてきた管理職世代に向けた研修も実施している。具体的には、傾聴の方法や質問の仕方といった基本的な領域から学び直すプログラムを用意し、時間的な余裕が少ない職場向けには、1日で完結する短期プログラムも提供しているという。
同社の説明によると、受講する管理職からは当初、「自分がOJTを受けた経験がないため、教え方が分からない」「急に傾聴と言われても、これまで感情を表に出さずに仕事をしてきたため難しい」といった戸惑いの声が上がることもある。
これに対し、自身が新人だった頃に憧れていた社会人像を振り返る機会を設けるなど、これまでの考え方を見直すきっかけをつくっているという。
一方で、管理職が研修で学んだ内容を現場で実践し続けるには、本人の努力だけでは限界がある。管理職の変化を組織として受け止め、評価し、後押しする環境があって初めて、人材育成は一過性の研修にとどまらず、組織文化として根付いていく。