「従業員ファースト」を阻むHRの構造的ジレンマ (5/8ページ)

バリュープレス



このように、人事関与者側では定着率低下(20.9%)やエンゲージメント低下(21.4%)を懸念しながらも、目の前の採用対応に追われている実態がうかがえます。

現場社員が「社内の流出(定着難)」に悲鳴を上げているのに対し、人事視点では「外からの補充(採用難)」が最優先課題となっており、組織内で優先順位のすれ違いが生じています。「入り口(採用)」にコストを投資しても「中身(活躍・定着)」の状態を可視化・ケアできていないため、人材が流出し続ける“穴の空いたバケツ”状態に陥っているといえます。

今回の調査結果から、多くの企業が「離職」や「採用難」という課題に直面しながらも、その根本原因である「従業員のはたらきがいや組織コンディションの不透明さ」に向き合えていない(可視化できていない)実態が浮き彫りとなりました。

人材獲得競争が激化する現代において、新規採用(補充)を中心としたアプローチだけでは、課題の根本解決に至らないケースも増えています。サーベイ等のデジタルツールで「はたらきがい」や「組織コンディション」をデータとして見える化し、従業員の活躍・定着まで視野に入れた採用戦略へと徐々にシフトしていくことが、今後の持続的な組織づくりに向けた重要な一手となるのではないでしょうか。

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