富岡製糸場を消滅から救った男。派手な英雄の影で「日本の近代化」を現実にした楫取素彦の執念【後編】 (4/4ページ)
晩年は、妻の美和子とともに山口県防府で暮らしたとされています。
日本の歴史を勉強していると、どうしても吉田松陰や高杉晋作、坂本龍馬のような、目立つ人物に目が向きます。何をした人なのかも分かりやすい。それは当然です。
でも、実際に社会が変わっていくときには、もっと地味な仕事がたくさんあります。学校を作る。先生を集める。産業を育てる。技術を広める。地域の人たちを説得する……。
誰かが大きなことを言ったあと、それを現実の社会へ落としていく。楫取素彦が群馬でやっていたのは、まさにそういう仕事だったのでしょう。決して派手な人生ではありません。けれど、誰かが掲げた理想を、実際に人が暮らす社会の中で形にしていく。そんな地道な仕事を積み重ねた人物でした。
参考文献
楫取素彦没後百年顕彰会編『男爵楫取素彦の生涯』(2012 毛利報公会) 中村紀雄著『楫取素彦 吉田松陰が夢をたくした男』(2014 書肆侃侃房)日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan