日本的経営は「最強」なのか―流行の制度改革に待った東京理科大学・高橋伸夫教授が語る「やり過ごし」と、組織を強くする失敗の活かし方 (3/5ページ)
しかし、特に問題がないにもかかわらず、流行に乗って新しい制度へ切り替えることには慎重であるべきです。まずは自社がこれまで積み重ねてきた仕組みを見直し、何が機能していて、何に課題があるのかを見極めることが重要です。
特に人事制度は、社員の働き方やキャリア、生活にも影響する重要な経営課題です。高橋氏は、人事・労務の仕事が持つ責任の重さを指摘し、経営者や人事責任者に対して、自社の制度に自信を持ち、安易な流行ではなく、責任ある判断と運用を求めています。
■インタビュー概要
前編
「やり過ごし」「ぬるま湯」など、日本企業の組織を捉える独自の研究キーワードの背景を紹介。組織論を軸に、公社民営化や鉄道経営、成果主義など幅広い研究に取り組んできた高橋氏が、日本企業の現場を日本語で捉えることの重要性や、データ・数理を活用した研究の原点について語ります。
中編
失敗を個人の責任だけに帰すのではなく、組織構造や仕組みの問題として捉え、学習につなげる重要性に迫ります。さらに、人事制度やDXは導入すること自体が目的ではなく、「どう運用するか」「何のために使うのか」が重要であることを、具体的な事例を交えて解説します。
後編
経営学をデータによって検証される「科学」として捉える高橋氏の研究哲学、日本語で本質を捉える姿勢、日本企業が培ってきた仕組みへの評価、そして流行に左右されない人事制度のあり方について解説。人事制度が社員の人生にも影響する重い仕事であることを踏まえ、経営者・人事責任者に求められる責任ある判断を語ります。