『豊臣兄弟!』吉岡秀隆演じる千利休にとって茶室こそ戦場…美学が凝縮された「侘び茶」の世界とは (4/6ページ)
利休が生み出した「究極のわび」の空間
千利休によって完成されたとされる茶室は、一般に茅葺(かやぶき)、黒木の柱、土壁などが風情を醸し出す草庵風で、そうした素材や意匠によって、独自の品格を感じさせます。
室内は、網代(あじろ)や簀子(すのこ)などを取り入れた変化のある天井を設けるなど、限られた空間のなかにもさまざまな工夫が凝らされていました。
四畳半の茶席では、床前の貴人畳が位の高い客の席とされ、主人が点前をする場所は道具畳と呼ばれました。
しかし実は、利休が造ったと伝えられる茶室で現存するものは、京都府大山崎町にある妙喜庵の国宝「待庵」のみです。この茶室は、わずか二畳という極限まで削ぎ落とされた空間によって、利休の「侘び」の美意識を今に伝えるものとして知られています。
利休の没後、その後継者や高弟たちも多くの茶室を造りました。
利休の孫・宗旦(そうたん)は、待庵よりもさらに狭い一畳台目の茶室を設けるなど、利休が追求した「侘び」の精神を後継者らしく、さらに極限まで突き詰めようとしました。