『豊臣兄弟!』吉岡秀隆演じる千利休にとって茶室こそ戦場…美学が凝縮された「侘び茶」の世界とは (5/6ページ)
一方、古田織部・小堀遠州・織田有楽斎らの大名茶人たちは、それぞれの美意識を反映させながら、武家の格式を感じさせる書院風の茶室や、三畳前後の比較的ゆとりのある茶室などを造りました。
利休が目指した茶の湯の空間・茶室とは、いわば「市中の山居」でした。
都市のなかにありながら、自然のなかに身を置くような感覚を味わう。自然そのものを再現するのではなく、限られた空間のなかに自然の趣を感じさせる。
そこには、茶聖・利休の美学が細部にまで込められているのです。
また、利休が理想とした茶の湯には、禅の精神とも通じる「茶禅一味」という考え方があります。
利休に招かれた客は茶室のなかに身を置くことで、外の喧騒から離れ、一服の茶と向き合う。そこでは、茶室という限られた空間そのものが、日常とは異なる心持ちを生み出してくれます。