生成AI時代、制作会社は何で稼ぐのか デジタル企業が「リアル店舗」を持つ理由 (2/4ページ)
「AIで十分な仕事」と「人に頼みたい仕事」をどう分け、それぞれに適切な価格を設定するのか。制作会社にとって今後重要なテーマになりそうだ。
制作会社がなぜカフェやバーを運営するのかデジタルコンテンツを手掛ける会社でありながら、ヴァンパイアではカフェやバーなどの実店舗も運営している。
もともとは、それぞれの事業が必ずしも一つの経営戦略から始まったわけではなかったという。
加藤氏によれば、「やりたいこと」として個別に始まった事業を続けていくうちに、「ヴァンパイア」という共通のブランドを通じて結びつくようになった。実店舗では飲食物を提供するだけでなく、イベントを開催したり、新しい企画を試したりすることもできる。
また、制作部門のデザイナーやイラストレーターが、店舗のビジュアルや商品づくりに関わることもあるという。デジタル制作の場合、完成したコンテンツに対するユーザーの反応は、アクセス数やSNSなどを通じて確認することが多い。店舗では、来店客の反応をその場で確認できるという違いがある。
一方、実店舗を持つことには当然コストも伴う。
家賃や人件費、光熱費など、デジタル事業にはない固定費が発生する。ブランドづくりや他事業への効果があったとしても、それだけを理由に赤字の店舗を維持し続けることは難しい。
リアルな拠点が制作事業とどのような相乗効果を生むのかと同時に、店舗単体としての採算性も問われる。
リアル店舗から社員が生まれることも
店舗を運営する中で生まれた意外な効果の一つが、人材との接点だったという。
加藤氏によれば、現在オフライン事業を統括する副社長や営業担当者の中には、もともと店舗スタッフや客として会社と接点を持った人物もいる。