生成AI時代、制作会社は何で稼ぐのか デジタル企業が「リアル店舗」を持つ理由 (3/4ページ)
一般的な採用では、求人情報を見た人が応募し、書類選考や面接を経て入社する。一方、店舗があれば、採用活動とは関係のない段階から企業や働く人と接することができる。店の雰囲気やスタッフとの会話を通じて会社を知り、その後、働く側として関わるようになるケースもあるという。
ただし、この方法を一般的な採用手法として再現できるかは別の問題だ。誰と出会うかは偶然に左右される部分も大きく、店舗を出せば自動的に採用がうまくいくわけではない。
それでも、オンライン上だけで事業を行う会社が物理的な場所を持つことで、通常の採用活動とは異なる人との接点が生まれることはある。リモートワークが広がった現在だからこそ、「会社と偶然出会う場所」の意味は以前とは異なっているのかもしれない。
多角化はリスク分散になるのかクリエイティブ事業と飲食店では、市場も収益構造も大きく異なる。複数の事業を持てば、一つの市場環境が悪化した際の影響を抑えられる可能性はある。一方で、異なる事業を同時に運営すれば、管理すべき範囲も広がる。
ヴァンパイアでは、ブランドやコミュニティへの効果だけを理由に各事業を維持するのではなく、それぞれの事業が単体でも成立することを重視しているという。店舗についても通常の飲食営業だけでなく、イベントや営業時間外のスペース利用など、同じ場所を複数の用途で活用する方法を試している。
重要なのは「事業を増やすこと」そのものではなく、一つひとつの事業をどのように成立させ、その間にどのようなつながりをつくるかだ。
事業領域を広げすぎれば、人材や資金が分散し、本来の強みが薄れる可能性もある。
多角化が経営の安定につながるのか、それとも経営を複雑にするのかは、事業同士の関係性によって変わる。
AI時代、制作会社の価値はどこに残るのか生成AIの性能がさらに向上すれば、画像を「作ること」そのものは今以上に容易になる可能性がある。そうなれば、制作会社に求められる役割も変わっていくだろう。