「お香」はなぜ今、暮らしに戻ってきたのか――千年続く香り文化の現在地 (1/4ページ)

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「お香」はなぜ今、暮らしに戻ってきたのか――千年続く香り文化の現在地
「お香」はなぜ今、暮らしに戻ってきたのか――千年続く香り文化の現在地

スマートフォンやSNSを通じて常に情報に触れる生活が当たり前になるなか、意識的に何もしない時間や、気持ちを切り替えるための習慣に関心を持つ人もいる。

そうした暮らしの変化の中で、仏事などで使うものという印象も強かった「お香」を、ホームフレグランスや日常の香りとして取り入れる動きも見られる。

一方、日本には古くから香りを楽しむ文化があり、現在のお香人気を単なる「癒やし」や「ウェルビーイング」の流行だけで説明することはできない。日本の香り文化を現代の生活に伝える活動を行うProject Felicia代表のHiro Nakayama氏に、伝統的な香りを今の暮らしへ取り入れる意味について聞いた。

「癒やし」だけでは語れない、日本のお香文化

香水やディフューザー、アロマなど、暮らしの中で香りを楽しむ方法は多様になっている。その選択肢の一つとして、お香に触れる人も増えているとNakayama氏は感じているという。

こうした動きについて同氏は、お香を知る入り口が広がること自体は前向きに捉えている。一方で、「癒やし」や「ウェルビーイング」といった言葉だけで説明されることには違和感もあると話す。

日本では古くから、宗教的な用途だけではなく、季節や暮らしの中で香りを楽しむ文化が育まれてきた。

お香を箱から取り出し、火をつけ、煙や香りの変化を感じる。その一連の動作も含めて、お香を楽しむ時間だというのが同氏の考えだ。デジタル機器で瞬時に操作できるものが増えたからこそ、こうした手間のかかる行為を生活の区切りとして捉える人がいても不思議ではない。

ただし、伝統文化を現代に広げる際には、分かりやすさとのバランスも必要になる。

新しい消費者に伝えるために現代的な言葉を使えば理解されやすくなる一方、それによって長い歴史や文化的背景が単純化される可能性もある。

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