なぜ同じ教え方では伸びないのか 「学び方」と性格に向き合う個別指導 (2/4ページ)
ただし、これは一つの事例にすぎない。
性格傾向を把握したから成績が上がる、と単純に結びつけられるものではなく、その時々の学力や生活状況、本人の目標などを含めて考える必要がある。
「自分はこれで伸びた」が指導の落とし穴になる
個別指導では、教える側の経験が強く影響する。
とりわけ勉強が得意だった講師ほど、自分が理解できた方法を「分かりやすい教え方」と思い込みやすい。
「自分はこの参考書で伸びた」「この説明で理解できた」。それ自体は貴重な経験だが、すべての生徒に当てはまるとは限らない。
目黒個別指導学院では、講師研修にもエニアグラムを取り入れているという。
ただし目的は、生徒をタイプ分けすることではない。
宮城氏が重視しているのは、まず講師自身が自分の考え方やコミュニケーションのクセを知ることだ。
例えば、結論を早く求める講師が、じっくり考えたい生徒に対して必要以上に答えを急がせてしまうこともある。
逆に、丁寧に説明することを重視する講師が、すでに理解している生徒に長い説明を続ければ、授業のテンポが悪くなる。
「良い教え方」を一つ決めるのではなく、生徒に応じて教え方を変える。そのためには、講師自身が自分の指導パターンを自覚する必要があるという考え方だ。
同学院では、学習状況や面談内容を講師間で共有し、「なぜこの生徒にはこの対応をするのか」をできるだけ組織内で共有するようにしている。
もっとも、個別対応を増やすほど、講師側に求められる判断も増える。
特定の講師だけがうまく対応できても、教室全体として再現できなければ個別指導の質は安定しない。研修や情報共有をどこまで継続できるかは、教室運営上の課題になる。