「痛くなってから行く」では遅い? 予防歯科が問うこれからの歯科医院の役割 (2/4ページ)

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歯周病は「口の中だけ」の問題ではない

口の健康は、歯だけの問題ではないことも分かってきている。

厚生労働省の情報では、歯周病と糖尿病には双方向の関連があることが報告されている。糖尿病によって歯周病が悪化しやすくなる一方、糖尿病患者に歯周治療を行うことで血糖コントロールの改善がみられることも示されている。

また、歯周病は心疾患や慢性腎臓病、呼吸器疾患など、さまざまな全身疾患との関連も報告されている。ただし、疾患によってエビデンスの強さには違いがあるため、「歯周病を防げば全身疾患を予防できる」と単純に言い切ることはできない。

境氏も、歯だけを診るのではなく、患者自身が口腔内の状態と健康との関係を理解することを重視しているという。

むし歯や歯周病は、自覚症状が乏しい段階から進行することもある。症状だけを基準に受診するのではなく、定期的に状態を確認することには意味がある。

「説明された」で終わらせない

北上しらゆりデンタルクリニックでは、初診時のカウンセリングに時間をかけているという。

患者がどのような症状で困っているのかだけでなく、治療への不安や希望についても聞き取る。そのうえで、口腔内写真やレントゲン画像を患者と一緒に確認しながら、現在の状態や治療の選択肢を説明する。

境氏が重視しているのは、歯科医師側が治療方法を一方的に決めるのではなく、患者自身が自分の状態を理解したうえで選択することだ。

例えば、「むし歯があります」と言われるだけでは、自分の口の中で何が起きているのかを実感しにくい。実際の画像を見ながら説明を受ければ、治療の必要性や予防について考える材料になる。

同院が掲げる「学べる歯科医院」という言葉も、こうした診療方針を表したものだという。

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