「自律的に働け」だけでは人は動かない――関西大学・森田雅也教授が語る、裁量・評価・信頼で組織成果を高める方法 (1/3ページ)
デフィデ株式会社(東京都港区赤坂2-4-6、代表取締役:山本 哲也)は、経営者・人事責任者・管理職に向けた情報メディア「JOB Scopeマガジン」にて、関西大学社会学部教授・森田雅也氏へのインタビュー「自律して働くとは何か――裁量と責任を両立させ、誰もが幸せに働ける組織をどうつくるか」(前編・中編・後編)を公開しました。働き方の自由度を高めても、社員の自律や組織成果につながらないのはなぜか。長年、裁量労働制と人的資源管理を研究してきた森田氏が、過重労働を防ぐ企業の自己規制、納得感のある評価、部下に裁量を委ねる管理職の役割、働く人自身の責任を解説します。
テレワークや柔軟な勤務制度が広がる一方、企業には「裁量を与えたのに成果が出ない」「管理職が仕事を任せられない」「評価への納得感が低い」といった課題が残ります。制度を導入するだけで、自律的な組織が実現するわけではありません。
森田氏は、働く現場への聞き取りを重ね、裁量と組織成果の関係を研究してきました。インタビューでは、自由な働き方を支える条件と、管理職・人事部門が果たすべき役割を、現場の実態に即して掘り下げています。
本記事は、働き方改革や裁量労働制を検討する経営者だけでなく、権限委譲、人事評価、部下育成に悩む管理職にも、組織運営を見直すための視点を提供します。
■自由を与えるだけでは成果は出ない――裁量労働制に必要な「自己規制」
前編では、働き方改革の進展を踏まえ、裁量労働制と自律的な働き方の実態を取り上げています。森田氏は、管理職への聞き取りを通じ、権限を委ね、成果を重視する働き方が組織のパフォーマンスにつながる可能性を指摘します。
一方で、裁量労働制は長時間労働を招く危険もあります。うまく運用する企業ほど、対象業務の選定や労働時間の管理、問題発生時の対応など、企業自身が厳しい「自己規制」を行っているといいます。
柔軟な働き方の導入を目的化せず、過重労働を防ぎながら成果を生み出せる仕組みを設計することが、経営者と人事部門に求められます。