オタク差別「TVタックル」が教えてくれた二次元コンテンツ規制の打開策 (3/3ページ)
今回の『TVタックル』は、内容的には全く見るものはなかったが、改めてこのような図式を認識させてくれたという点だけは評価に値するだろう。現在、規制反対派は理屈と統計データといった正攻法で立ち向かおうとしているが、残念ながら規制賛成派はそうした「真っ当な土俵」には上がって来ない。仮にまともな議論の場で何かしらやり取りをしたとしても、またその場で規制反対派が圧勝したとしても、TVタックルがそうだったように「でもオタクってこんなに気持ち悪いんですよ~」というアピール一発で取り返せてしまう。
表現規制反対派は、長きにわたって「規制すべきでない理由」をいくつも用意し、規制推進派や世間の偏見と戦って来た。ところが、そのような長い歴史を経てもなお、世間は「オタクって気持ち悪ぅ~い!」という域から出ていなかったのである。これこそが、今回のTVタックルが伝えてくれた最大の情報だと言えるだろう。
これに対抗するには、ロジックを強固にする、理解のある政治家を味方に付けるといった努力も必要だろうが、何よりも「オタクに対する偏見を和らげていく」という気の長い作業が必須となろう。例えば、エロ絵が描いてあるような袋をぶら下げて街を歩かないとか、世間から気色悪がられるようなアニメ絵のTシャツを表で着ないとか、ほんの少しの気遣いで出来るところから始めるべきである。バカバカしい話になってしまったが、本当にこれが必要なのだ。
逆に絶対にやってはいけないのが、自分が気に入らない相手への迷惑行為である。今回の『TVタックル』出演者にネットで殺害予告をした人間がいたが、そんな事をすれば逆効果だと思い至らないのだろうか?
規制賛成派からすれば、殺害予告や迷惑行為は、規制を強化しなければならない大きな理由に変換されてしまう。こうした社会性の欠如も、オタクが世間から迫害を受ける理由である。赤ん坊がおっぱい欲しさに泣きわめいているような反応をいくら返したところで、自分の首を締める結果にしかならない。もっと別のオトナとしての戦い方を身に付けねば、アニメ・マンガ・ゲームといった「オタクが好きな物とされるコンテンツ」は迫害を受け続けるだろう。
こう言うと「個々の服装やルックスなんか関係ないだろう!」と非難の声も挙がるだろうが、残念ながらそうした声は世間には届かない。こうした「多数派の感情」との戦いを続けるしかない難しさが、私がこの問題を「差別問題」だとする最大の理由なのである。
そろそろテロも辞さないコワモテを揃えて「オタク解放同盟(略してオタ同)」を設立する必要があるのかもしれない。(これは冗談ですごめんなさい)
Written by 荒井禎雄
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