4Kテレビは大コケ「3D」の再来か? アダルトコンテンツとの相性は... (3/4ページ)

東京ブレイキングニュース

その時は仲の良い新進気鋭のデジタル映像専門会社と提携(というか相乗り撮影)する事でカメラは用意できたのだが、撮影が終わったら終ったで今度は編集ができない。

 というのも、当時私が所属していたAVメーカーにはごく普通のノンリニア編集機しかなく、それではせっかく高画質撮影しても書き出したら普通の画質になってしまい、まったく意味がないのである。そこで編集も先述のデジタル映像会社でやって貰う事になったのだが、彼らはデジタル映像の専門家ではあるものの、AVの編集などやった事がない。

 そこで私がノンリニア編集機でまずザックリとカット編集だけ行い、それを映像会社に持ち込み、スタッフに見せながらカットポイントを伝え、その通りに編集してもらい、その素材に今度は泣きながら徹夜でモザイクをかけるという、酷い2度手間作業になってしまった。

 そこまでして作り上げた、恐らく史上初であろうCineAlta(スターウォーズ2でも使用されたカメラ)で撮影されたAVは、撮影場所が本物の廃墟だった事もあり局地的に話題にはなったのだが、かけたコストと労力に見合った販売本数だったかというと、ズバリ大赤字である。

 当時のAVでは考えられないほど超美麗映像で、廃墟に舞うチリや、女優の下着のゴム跡や、ちょっとした細かい傷や肌荒れ、さらにはメイクの「粉塗りたくってます!」感までバッチリ見える代物ではあるのだが、当時はまだ記録メディアや再生機材の方が追い付いていなかったのだ......。

 よって、私が撮影した廃墟AVは、同時期に流通していたAV作品の中では圧倒的に画質は良いのだが、使った撮影機材のポテンシャルをフルで楽しむには「編集会社の専用機材で見なければならない」という意味の解らない残念な結果になってしまったのである。 DVDに焼いてDVD再生機にかける時点で劣化した絵しか見られない事が確定するという本末転倒ぶり。 これが私のAV監督人生の中でも特筆すべき黒歴史であり、新しい技術に下手に飛び付くとどうなるかという悲劇的な物語である。 ぜひ反面教師にしていただきたい。

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