安倍政権下で数少ない光明...七生養護学校「不当介入」都議らに勝訴確定 (2/3ページ)

東京ブレイキングニュース

 ところが、2003年に土屋ら都議と産経新聞とが七生養護学校を訪れ、その教育内容を「異常だ! 常軌を逸している! 人権侵害だ!」などと非難。無理やり教材や資料を取り上げるといった暴挙に及び、挙句にこれを石原慎太郎らが「異常な教育をする教師がいたもんだ」などと支持。結果として七生学校は都に処分を受ける事となった。

 少々話が横道にそれるが、これを受けて2005年に自民党内で安倍晋三が座長となり「自民党 過激な性教育・ジェンダーフリー教育 実態調査プロジェクトチーム」が発足。 このチームの事務局長を務めていたのが山谷えり子(現・国家公安委員長、拉致問題担当相)で、彼・彼女らは七生養護学校のような踏み込んだ性教育を行っていた学校を次々と非難し、教育現場の萎縮を招く最大の要因となった。現在の教育の現場で、生徒達に教えるべき性の問題を教えられないのは、この連中のせいだと言っても過言ではない。

 最後の最後で私情混じりの文章になってしまった事を深くお詫びするが、今回の七生養護学校の勝訴確定は非常に重い判決である。自民党系・保守系の政治家にありがちな「自分の価値観をすべてと思い込み、どこにでもズカズカと強権を振りかざして踏み入れる行為」が不当であると断定されたからだ。

 担当した裁判官の言葉を手短かにまとめると以下のようになる。

・議員らの行為は、自身の政治的な信条に基づいて教育に介入または干渉するもので、教育の自主性を歪める危険がある

・教育内容を短期間で判定するのは容易ではなく、一度でも制裁的な扱いを受けたら教育現場の萎縮を招き、性教育の発展が阻害される

・都議や都教育委員会が指導または研修を経ずに処分を行ったのは、裁量権の乱用である

 この都議らがいかに無知で水準の低い人間だったかを象徴する話として、七生養護学校が教材に使っていた "人形" を、「ダッチワイフのようだ!」と大騒ぎして没収したという事実を紹介しておこう。この人形とは、アメリカの専門家が作成し、世界の性教育の現場で使用されている「スージー&フレッド」である。

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