【検証】ハロウィン仮装に”本気すぎる特殊メイク”で臨んだ結果…
ここ数年、日本にも根付いた感のある、ハロウィン!! 今年も目前に迫ってきた。ハロウィンといえば、やっぱりクリーチャーに仮装して街を歩くのが醍醐味。という訳で、プロの特殊メイクアーティストのゼライ直井さんに、ハロウィンメイクのコツを教えてもらいつつ、実際に特殊メイクをほどこしてもらい街をねり歩いてみた。
※2014年11月1日追記:2014年のハロウィンを振り返る記事もどうぞ!
【画像】渋谷でハロウィン仮装する”露出ギャル”10連発
血糊や汚れは“控えめ”の方がリアル
ゼライ直井「今回使用する道具は、ホームセンターで買える素材のみに限定しました。すべてパーティグッズ売り場に並んでいます。日本では舞台用のメイク道具を作っている『三善』というメーカーが有名です。プロはよりグレードの高いものをアメリカから輸入した上で、自分で調合しますが、基本的には市販されている物で十分作れます」
【使用した材料】
メイク用ワックス、ラテックス、スピリッツガム、脱脂綿、血のり、パウダー、グリースペイント各色。メイク落としはクレンジングクリーム、アルコール、水、スピリッツガム・リムーバーなど。
ずらりと並べられた、道具は使い込まれていて、さすがにプロの業物といった雰囲気。顔に土台となる綿を薄く貼った上に、肌色のワックスを盛って肌になじませていく。その場で形を作っていくビルドアップという手法だ。形ができたら、その上に、影と血糊で汚しを入れていく。この時点で一気にリアルになる。道具や材料は、実際に使って慣れるしかない。ハロウィンの当日にいきなり挑戦するのではなく、あらかじめ練習しよう。
ゼライ直井「特殊メイクで一番に気をつける点は、血糊や汚れを“控えめ”にのせることですね。ついついやりすぎてしまうんです。少なく描いた方がリアリティが増します。血糊を乗せる際は、ベタッと塗るのではなく、濃淡をつけた方が傷に見えて効果的ですね」
SNSに載せるためのアップ写真を撮る場合は、影や血糊をより少なめに乗せた方がよい。撮影時には、顔に良い影ができるよう照明を工夫しよう。逆に街歩きをする場合のメイクは、目にとまるように目の周りや、鼻の下などに、しっかりと陰影を描いた方がよい。血糊も気持ち大げさに塗ったほうがわかりやすい。
ゼライ直井「特殊メイクは、技術はもちろん大事なんですが、一番大事なのはメイクをされた人の役者魂です!! 本気でゾンビになっているんだ!! という気迫で表情を作れば、多少技術が拙くても、ゾンビに見えます!!」
僕のメイクは2時間ほどで完成した。鏡を見ると……痛々しい顔の僕がそこにいた。
たしかに表情をつけないと、ゾンビというより、バイクでケガをした人のようである。さっそく街に出て歩いてみたが、すれ違う人は、「ゾンビ怖い」というよりは、「あの人ケガ大丈夫?」って表情で振り返っている。
これではイカン!! と羞恥心を取り払って、ぐわあ!! と凶暴なゾンビフェイスで街をねり歩く。さすがに注目度は高くて、みんな振り返った!! 東中野のムーンロード商店街にゾンビが出現した瞬間である!!
しかしすれ違った女子高生に「ゾンビにしては太りすぎだよね~」と言われてしまった。たしかにゾンビは痩せてる印象がある。来年は体づくりから調整するか!! (設定上は、デブだってゾンビに噛まれれば、ゾンビになるはずだけどなあ)
今年のハロウィンは特殊メイクで、皆の注目を独り占めしてみてはいかがだろう?
- ゼライ直井(ゼライなおい)
- 特殊メイクアップ・アーティスト、特殊造型家。1972年生まれ。東京都出身。高校時代から「バトルヒーター」「ゴジラ対ビオランテ」「ZIPANG」などの映画に参加。1991年、オーストラリアへ渡り「フォートレス」(93年)などのハリウッド映画数本に関わる。帰国後独立し、現在は映画やTV、舞台などのさまざまなメディアで活躍中。2012年に特殊メイクアップ製作で参加したフランス映画「Beyond The Blood」はフランス本国でリュミエール賞にノミネートされた。
最新作「まいちゃんの日常・実写版」
漫画家・氏賀Y太の猟奇漫画の実写化作品。フェチフェス主催者で特殊映像作家の佐藤★サドが監督。 -
- 「まいちゃんの日常・実写版」予告編(グロ描写・閲覧注意!)
- 「まいちゃんの日常・実写版」完成試写会イベント
- 2014年11月29日(土)18時30分~
- 入場料¥2,500(1ドリンク付き)
- 場所:club axxcis SHINJUKU -クラブアクシス新宿-
- 公式サイト/ゼライ直井 特殊メイク教室/特殊メイクの体験スクール
(取材・文/村田らむ 撮影協力/BARバレンタイン)