日本各地で出没中! 山で熊と遭遇しないための7つのルール

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日本各地で出没中! 山で熊と遭遇しないための7つのルール

先日、山梨のとある低山を歩いていたところ、わりと新鮮な動物のフンがありました。サイズや足跡からすると、それは熊のもの。筆者が歩きながら出していた「音」を聞いて熊は立ち去ったのか、事なきを得ました。熊は基本的に温厚な動物なので、こちらの存在を察知すると、遭遇する前に自分から立ち去ってくれるのです。

・初心者ルートにも熊が出没
ここ数年、バッタリ遭遇した熊に人が襲われたというニュースをよく耳にします。特に今年は日本各地でドングリが不作のため、餌を求める熊が里にまで出没する一因となっているようです。例えば、東京都にある奥多摩ビジターセンターでは、今年すでにツキノワグマの目撃情報が40件超(11/11現在)。例年よりはるかに多く、目撃場所の中には初心者に人気の登山ルートもあります。

・ポイントは自分の存在を知らせること
初心者はもちろん山好きな人はみな、熊対策を立てておく必要があると言えるでしょう。今回は筆者が実践している熊対策のルールをまとめてみました。熊目撃情報の事前調査はもちろんですが、適切に音を出して自分の存在を知らせることが大切です。

・ルール1 自治体等のホームページをチェック
「地域名 熊」で検索すれば、いろいろな情報が出てきます。特に自治体のホームページや、ビジターセンターの情報は信頼できるものなので、事前に確認しておきましょう。筆者的には、電話の問い合わせがおすすめ。ついでに登山道の最新状態なども確認できるので、一石二鳥です。

・ルール2 単独で登らない
ひとりでストイックに登るのが好みの人もいると思いますが、音を発せずに黙々と歩いていると、カーブした山道で出合頭にバッタリ……なんてこともあり得るので、できるだけ複数での登山がベターです。「でも山友達いないし!」という人は、他のグループの後をさりげなくついて行くという高等テクニックを磨きましょう。

・ルール3 山中ですれ違う人とは挨拶を交わす
習慣としておすすめしたいのが、山道での積極的な挨拶。すれ違った人に「こんにちはー」と挨拶を交わすのは山の基本ですが、ブームの昨今はこうした挨拶をしない人が割といます。山中で声を出す機会が多いということは、すなわち熊に人間の存在を示す機会が多いことに他ならないのです。人を見かけたら元気よく挨拶しまくりましょう。

・ルール4 口笛、指笛、ホイッスルを鳴らす
見通しの悪い山道や、先がカーブしている道、沢や滝の音に小さな音がかき消されてしまうような場所では、熊の方が人間に気づかない可能性も。そんな時には、笛を鳴らす方法があります。筆者は得意げに指笛をピーッとやったりしますが、別にカッコつけてるわけではありません。遠くまで自分の存在を示すことで、熊と鉢合わせない予防をしているのです。

ちなみに、今どきのザックには、ホイッスルが最初から装備されているものが多いです。胸の前で固定するベルトのバックル部分にさりげなく付いているので、知らなかったという方はぜひ活用を。

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・ルール5 持ち物などで音を鳴らす
例えばトレッキングポールや落ちている棒などで木や石をコツコツ叩く。手で拍手をする。ペットボトルをベコベコ鳴らす、など。トレッキングポールの先端は保護用のゴムカバーをして植物を傷つけないように配慮しましょう。

・ルール6 AMラジオは一石二鳥
たまに見かける、ラジオを鳴らしながら山歩きしている単独おじさん。事情を知らない初心者からすれば、孤独感満載だとか自然の中で鳴らすなんて非常識だ! などという声が聞こえてきそうですが、実はこれも熊よけのひとつ。しかも、AMラジオは雷を感知すると雑音が入るため、上空の雲の状態を予測することにも役立ちます。さらに、緊急事態には情報収集に抜群の効果を発揮するのもラジオの良いところです。

・ルール7 音の出しっぱなしに注意
こんなに音を出しましょうと言っておきながら、ごめんなさい。音を出しまくっていると、自分が熊の出す物音などに気がつかないケースがあります。音は定期的に出す、場所を踏まえて鳴らすようにしたいところです。過ぎたるは及ばざるがごとし、です。

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遭遇することは滅多にないからといって、油断は禁物です。筆者も、油断して静かに山を歩いていた時、ガサガサッ!! ドドドドッッ!! と急に目の前を鹿の群れが横切り、肝を冷やしたことがあります。近づくまでまったく気がつかなかったのですが、いきなり野生の動物に遭遇すると、まあビックリするものです。熊じゃなくてよかったです……。

記事: Buzz+(バズプラス) http://buzz-plus.com
執筆: 大内征
Via: 奥多摩ビジターセンター(クマ目撃情報)

大内征
自由大学「東京・日帰り登山ライフ」キュレーター。loca-rise production代表。“低山トラベラー”として100人を超える登山コミュニティを主宰。地方自治体や地域NPOとともに自然・文化をテーマにした地域課題の解決に取り組んでいる。「PEAKS」「ランドネ」等の登山誌寄稿や広報誌・ビジネス誌に連載を持つライターとしても活動中。

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