幻の「炭干しワカメ」を食べてみた! 抜群の食感で長期保存可能 (1/2ページ)

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幻の「炭干しワカメ」を食べてみた! 抜群の食感で長期保存可能

みなさん、炭干しワカメをご存知だろうか。その名の通り、活性炭の粉末をまぶし、生のまま乾燥させたワカメのことで、徳島県鳴門市の名産品だ。

湯通しタイプのワカメと違いミネラルやビタミン類の損失が少なく、常温で1年以上の保存ができるのが特長(そのまま乾燥させた素干しワカメは3カ月ほど)。戻すと緑色が鮮やかで、磯の香りが強く、食感も良い状態が保たれる。

・原型は江戸時代から続いた「灰干しワカメ」
この炭干しワカメが、存亡の危機にあるという。鳴門ではもともと、1845年から、シダ、ススキ、ワラなどの草木灰をまぶしてつくる「灰干しワカメ」を生産してきた。ところが2000年、ダイオキシン問題が持ち上がり、徳島県から灰干しワカメの生産中止を求められてしまう。草木灰が流れ出ると海が汚れるといった批判もあったようだ。

・「灰干し」から「炭干し」へ
そこで草木灰のかわりに活性炭をまぶす手法が開発される。灰干しと同様の効果が得られ、炭はむしろ海を浄化するとして、一部の生産者は灰干しから炭干しへと生き残りを賭けて転換。しかし、多くは廃業したり、湯通しタイプの生産へとシフトしたりした。2014年現在、炭干しワカメの生産者は11戸のみである(1998年時点の灰干しワカメ生産者は約200戸)。

・幻の理由は生産効率の悪さ
炭干しワカメが幻の食材になりつつあるのは、生産効率が悪く、後継者もいないためだ。炭干しワカメをつくるには、晴天が3日続く日を見越して干し、炭だらけになって作業する必要がある。天候に左右されない湯通しタイプへ転換する生産者が多いのも仕方がないのかもしれない。

・食べる前にはひと手間あり
また、ニーズ自体の減少もある。戻すときに黒い水が出るので、そのまま味噌汁に入れられるカットワカメのような使い方ができないのが、現代人には受けないようだ。「粗悪品では?」と苦情が寄せられることもあるという。実際にやってみたところ、ボウルに水をそそぎ、4~5回もすすげば炭は落ちる。

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