【三沢光晴をめぐる証言vol.5】高山善廣インタビュー (3/5ページ)
三沢さんとやる前はそんなに「闘いたい」とは思ってなくて、「三沢さんはどうなんだろう?」ぐらいの感じだったんだけど、やってみたら奥が深すぎた。底が見えない底なし沼みたいな感じで、「うわっ、この人すごい」ってなって、「この人に向かっていったら、俺はどんどん成長できる」と思った時だったんだよね。
──ちょうど、三沢さんの凄さを感じて、もっともっと闘いたいと思っていた時だった、と。
髙山 そう。
──じゃあ、「全日本四天王」って一括りにされてましたけど、ほかの3選手と三沢さんは全然違いましたか?
髙山 違ったね。ホント全然違った。
──それは闘ったときの当たりが違うとか、そういう単純なことではなくて。
髙山 うん。なんて言うんだろう、何をやっても大丈夫っていう、そんな感じ。
──よく「すべてを受け止めてくれる」みたいに言いますけど、そういう感じですか?
髙山 ホント、そんな感じ。しかも、それは容赦なくガンガンいって、やった俺だけが満足するんじゃなくて、そうさせることによって、観ているお客さんも満足させる試合に成立させるんだよね。ホントそれが凄くて。「すげえ!」って心から思ったもんね。
──相手がどんなふうに来ても、それに合わせられる能力というか。
髙山 オールラウンドプレイヤーというのは、ああいうことを言うんだろうなって思ったね。
──プロレスは個性と個性のぶつかり合いとも言われますけど、三沢さんの場合はぶつからずに、融合するというか。
髙山 ぶつかってるんだけど、それを融合させる。なんかね、ニック・ボックウィンクルの言葉どおりなんだよ(笑)。
──「相手がジルバで来たらジルバで、ワルツで来たらワルツを踊る」という(笑)。
髙山 そうそう(笑)。だから俺は三沢さんと闘うことで、「これがプロレスなんだ」って思ったもん。
──そこに初めて触れて気づいた、と。
髙山 そう。それまでは、さっきのニック・ボックウィンクル言葉、「ワルツで来たらワルツを踊れ」なんて、「何言ってんだ、バカ野郎」って思ってたんだけどさ(笑)。