【パンチ佐藤】契約更改とシーズンオフの裏話 (2/4ページ)
そんな時は、記者が上手に誘導するんですよ。
例えば、ある選手が「1億はいきませんでした」とした口を割らなかった場合。記者はそれでは記事にできないので、「9?」「8?」としたたかに聞いてきます。すると、選手も近い額になると根負けして「まあ、そのあたりです」。僕はといえば、契約金を聞かれた時など「ズバリ7000万円です!」と言い切りました。
では、契約更改の細部。査定についてはどうか――球団によってマチマチで、ドンブリ勘定のチームもあります。僕が現役当時、12球団で最もキッチリしていたのが西武ライオンズ。西武は「送りバント」「四死球」「犠牲フライ」など細かいところも査定に入り、評価の対象でした。2割5分程度の打率でも「優勝に貢献した」という評価を得て、年棒が上がった選手も多かった。
ちなみに「オリックスは?」といえば、「普通」だと答えます。僕と球団との「契約更改の攻防」は後述するとして、面白いエピソードを一発。
ある選手の年俸が7000万円だとします。その選手が契約更改の席で粘って2000万円、3000万円アップでサイン、なんて話はよくありますよね。
ところが、年俸800万円の選手が「1200万円欲しい」と言うと、球団側から「400万円って……どれだけの大金だと思っているのか! 常識的な金銭感覚を持て!」と叱責されるのです。
僕はといえば、サラリーマンを経験していたことが効果絶大。球団側、フロント側に対し、僕の方が手玉に取っていた感じがしました。これは、一般企業で働いていたからこそ、できた交渉術ですね。
都市伝説なのか現実なのか、ジャイアンツの契約交渉は「何でもいいから取りあえず、1回首を横に振れ」という伝説があります。首を横に振るごとに、1000万円アップする。さすが、お金を持っている球団。都市伝説であっても、スケールが大きい。
では、パンチ佐藤はどういった交渉をしたか――本邦初公開します。
「(フロント相手に)チームはオーケストラと一緒でしょ? だからトランペットや太鼓ばかりでなく、カスタネットやトライアングルも必要。僕はカスタネットです。