シャルリ・エブド襲撃事件に見る「表現の自由」と「テロリズム」の意味 (4/4ページ)

東京ブレイキングニュース

 このフランス革命時の虐殺とは、革命派によってフランス各地の反革命派(と看做された) 1万4~6千人が殺されたという痛ましい出来事で、主に政治犯が収監されていた監獄などが舞台となった。そこで殺された囚人の中には、政治思想とは無関係の、しかも罪を犯したかどうか明らかになってもいない人間も多く含まれていた。パリ市内の監獄だけでも千人を超える死者が出たが、後にその内の75%が政治犯とは無関係だったと判明したほどだ。運悪く外国との戦争とタイミングがかち合ってしまったため「監獄内の反革命派が敵と内通している」といったデマが流され、魔女狩りのような一方的な "反革命派狩り" が行われたのである。

 みなまで言わずともご理解いただけたと思うが、これを反革命派ではなくイスラム教徒などに置き換えてみれば、今回の運動がどう流れたら "テロリズム" になるか想像が付くだろう。 笑い事でも考えすぎでもなく「反テロを訴えるテロリズム」が目の前まで迫っているという危機感を持つべきなのだ。今回のこの記事にも反論や暴力めいた言葉が向けられるかもしれないが「表現の自由の名のもとにシャルリ・エブドを殉教者と崇め、卑劣なイスラムテロリストを批判せよ」という同調圧力こそが表現の自由の最大の敵であり、テロリズムへの第一歩でもある。

 フランスは9.11すらもアメリカにも非があると風刺してのけた「気骨ある表現の自由の国」である。厳密に言えば「そうであったはず」だ。であるなら「Je suis Charlie」 以外の痛烈な表現があってもよかろう。私はシャルリ・エブドに今回の事件すらフランス国内の移民問題や社会問題を風刺する道具として取り上げる事を期待している。

Written by 荒井禎雄

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