【パンチ佐藤】評論家からは聞けない「キャンプの裏話」 (3/3ページ)

日刊大衆



しかし、今考えると「愚策」。そんなことはする必要などありませんでしたね。20代半ばでプロ入りしたことを鑑みれば、高卒ルーキーやハタチそこそこの選手のような調整は意味がなかったです。理想は紅白戦、オープン戦が始まった頃にピークを作る。キャンプインはのんびり構えて良かったでしょう。

というのも、スタートダッシュは確かに素晴らしい。監督、コーチも「パンチ、いいねえ」と手放しで高評価です。ところが、キャンプも中盤に差しかかると、ベテランを除く大部分の選手がエンジンをかけ始めます。時期を同じくして、僕は身も心も疲労困憊。状態が下降し始める。監督、首脳陣の評価もここ辺りから一変。「なんだ、パンチは使えない」となり、ファーム行きとなるんです。

変なアピールに気を取られた結果でした。どうせ2軍での調整を余儀なくされるのであれば、キャンプは2軍スタート。のんびり、じっくり調整し、中盤に1軍に上がるというプランを作っておけば良かったと今では思います。プロとして心構えがどっしりしていなかった証拠でしょう。

僕の体験から、高校生、大学生からプロ入りした新人選手にはアドバイスを送りたい。「慌てるな」と。新人は「今日、何をやったか分からない」という状況だと思います。そんな状態で3日過ぎ、10日過ぎ…気がついたらオープン戦となる。いいことではありませんね。

「地に足を着けて練習しろ」これが僕の訴えです。初めてのキャンプは何かと過酷。疲労とともに肘や腰を痛めやすい。初期段階で首脳陣にそれを伝えればいいのに、だいたいの学校上がり選手は「痛い」と言えない。高校、大学時代は部活を休むと怒られる。その意識が脳を支配していて、プロになっても「休みたい」とは口に出せないんです。

ここは「プロになった」という自覚を持って、首脳陣に自分の状態を伝える。痛い時に練習をしてもいいことは一つもありませんからね。また、心が折れそうになった時は両親やかつての仲間に電話すること。これは、いい気分転換になる。リフレッシュになります。

野球が一番!

パンチ佐藤(ぱんち・さとう)プロフィール

1964年12月3日生まれ
亜細亜大学から熊谷組を経て、オリックスにドラフト1位で入団。プロ野球時代、トレードマークのパンチパーマと独特な発言で人気者に。引退後はタレントとしても活躍し、2015年シーズンからBCリーグ『武蔵ヒートベアーズ』の宣伝本部長に就任した。
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