「イスラム国」問題で一線を踏み越えた安倍政権|岡留安則コラム (1/2ページ)
元「噂の真相」編集長岡留安則の「編集魂」
「イスラム国」に拘束され、ネット上で殺害予告を出されていた日本人人質二人、湯川遥菜さんと後藤健二さんが最悪の事態で「処刑」された。この事件に関しては、日本政府もヨルダン政府も、アンマンの日本大使館に置かれた対策本部からもほとんど情報が出されなかったこともあり、いまだに真相は解明されているとは思えない。
にもかかわらず、日本の安倍総理、米国・オバマ大統領、フランス・オランド大統領、イギリス・キャメロン首相らは口を揃えてイスラム国の非人道的行為を激しく断罪し、テロには屈しないと語気を強めてコメントした。そのこと自体はイスラム国への空爆や戦いを続けてきた有志国としては当然のプロパガンダだろう。しかし、こうした不満や憤りをぶつけるだけでジ・エンドとはならないだろう。米国はイスラム国の解体まで戦うと宣言しており、日本政府もイスラム国と闘うために、人道支援や民生支援をさらに追加する意向を示している。しかし、イスラム国にしてみれば、日本の支援金が軍事面ではなく、人道支援に供出されるかどうかの判断は難しい。
●テレビはどうでもいいようなコメンテーターを出演させ、憶測や推測、仮説を連発今回の日本人二人の拘束の動画が配信された時、イスラム国は安倍総理がカイロで演説したイスラム国の周辺国に2億ドルの支援を申し出たことを逆手にとって、日本人二人の解放の条件として2億ドルの身代金を要求した。今回の安倍総理の中東訪問も安倍総理が外務省に希望して実現したものといわれている。
その後、身代金2億ドルはイスラム国が撤回したが、この安倍総理の支援金提供の申し出がイスラム国を大きく刺激したことは明らかだろう。その後、安倍総理がイスラエルで行った記者会見の場にはイスラエルの国旗が飾られていた。イスラム教徒にすれば、宿敵・イスラエルの国旗の前での記者会見は不愉快だったのではないか。いずれにしても、安倍総理の外交センスのなさが露呈したともいえる。イスラム国は十字軍に参加した日本を敵国とみなし、世界各地の在外日本人の生命が脅かされることになるだろう。安倍総理がいくらテロには屈しないと啖呵を切っても犠牲になるのは罪のない民間の日本人である。