「恋愛はそもそも理不尽で傷つけあうもの」――唯川恵さんインタビュー(2) (1/3ページ)

新刊JP

「恋愛はそもそも理不尽で傷つけあうもの」――唯川恵さんインタビュー(2)
「恋愛はそもそも理不尽で傷つけあうもの」――唯川恵さんインタビュー(2)

出版界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』!
 第65回の今回は、短編集『逢魔』で初の時代小説に挑戦した唯川恵さんです。恋愛小説の名手として知られる唯川さんですが、本作は“恋愛×官能×時代物”。「牡丹燈籠」「番町皿屋敷」「源氏物語」など日本の古典文学作品をベースに艶やかな言葉でつづられる官能的な物語世界に、思わず引き込まれてしまうはず。身分違いの恋や、魔との邂逅などを描いた8編の作品が収録されています。
 今回は唯川さんに本作『逢魔』の内容を中心に、恋愛について、作家活動についてお話をうかがいました。 昨日に引き続き、中編をお送りします。
(新刊JP編集部/金井元貴)

■ 「恋愛はそもそも理不尽で傷つけあうもの」

―― 本作もそうなのですが、時代物の作品は言葉遣いがとても多様ですよね。

唯川:そう思いますね。今は花柳界に行かないとこんな情緒ある言葉はなかなか聞く機会はないのでしょうけど、言葉一つとっても、時代が変わればこんなに色っぽく書けるのだなと思いました。
例えば性行為そのものも、今は「セックス」という言葉でだいたいひとくくりにできますけど、昔はいろいろな言葉があって使い分けができていたんですよね。

―― こんなに「まら」という言葉が出てくる小説はなかなかないと思います。ただ、「まら」は男性器を指す言葉だというのは知っていましたが、「ホト」は分からなかったですね。

唯川:そうだと思います(笑)「ホト」は女性器を指すのですが、そういう日本語があるんですよね。

―― 男性と女性の恋愛のみならず、女性同士の交わりのエピソードもあります。

唯川:「番町皿屋敷」の加代と菊の話ですね。「番町皿屋敷」はとても有名な話ですが、実はその作品自体に色っぽい話はないんです。だから、自分なりにアレンジを加えて、女性同士の恋…昔の言葉では「合淫」というのですが、その要素を加えました。今までは0からストーリーを考えていますが、この短編集は1をどう広げていくかという作業だったので刺激的でしたね。

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