【日本人拘束事件】海外での報道はこうだった<UAE(アラブ首長国連邦)編> (3/3ページ)
しかしながら、同郷の仲間数十人もの命が奪われても、取り立ててニュースにならない現状は、非常に悲しい」と、話していました。
UAEのドバイは、世界中からたくさんの人が集まる場所です。この記事を読んでいただいた日本の方に、ドバイの近況や大勢の人の思いなどが伝われば幸いです。
人質となって事件に巻き込まれた後藤健二さん、湯川遥菜さん、ヨルダン軍のパイロットのモアズ・カサスベ中尉、これ以外にも戦火で命を落とされた方々のご冥福を心よりお祈りします。後藤さんの「憎むは人の業にあらず」という気持ちを、一人ひとりが実践できる世の中になりますように。
ドバイ在住ムスリム「同じ宗教を信じる者の行動ではない」
「自分はイスラム教徒だけれども、ISILのメンバーは、イスラム教徒ではない。単なるテロ組織だ」――。
前述のシリア人でムスリム(イスラム教徒)の友人宅を訪問したとき、ニュースを見ながらこう呟いていました。
また、パキスタン人やインド人、エジプト人のムスリムの友人からも、「本来、イスラム教は“神”と“自分”との間で交わした約束を信仰するもの」「他人に自分の価値観や信仰を強要する宗教ではない」と、聞いたことがあります。
後藤さんの事件が起こる前に彼らと話したとき、「イスラム過激派と呼ばれる集団は、世界中に居る約16億のムスリムのうちの、ごく一部のイスラム教徒の行い。世界中のイスラム教徒も、過激派の行動に頭を抱えている。彼らと自分たちの信念とは、まったく異なる」と言っていました。