まるでコートダジュールの大展望台、南仏にあるエズ村に行ってみよう! (1/3ページ)
世界でも有数の高級リゾート地の1つ、南仏のコートダジュール。
温暖な気候で美しい海岸線を望むこの地は、18世紀末にイギリスの上流階級の人たちの冬の保養地として開発されて以来、イギリス、ロシアなどヨーロッパの王族・貴族たちに愛されてきた場所です。
20世紀に入ると、パブロ・ピカソやアンリ・マティスなどの芸術家や、アメリカ・ヨーロッパの資産家たちも好んで訪れるようになりました。
ちなみに、コートダジュールがどこからどこまでを含むか厳格な定義はないようですが、誰もが知る町としてはニースやカンヌなどがあります。
さてこの地域ですが、実は紀元前から人が住んでいたと考えられています。その1つの証として、ニースでは紀元前3500-1500年の青銅器時代の焚火の跡が見つかっています。
またイタリア・ギリシャに近く、エジプト・シリア・トルコなども面する地中海沿いという地理的な優位性から、古くから交通の要所としても重要な場所であり、しばしば強豪国から侵略の標的となってきました。
こうした背景からか、海岸沿いにある幾つかの小高い丘や岩山には、幾つか要塞や城壁を構えた小さな村ができるようになりました。
見晴の良い高い場所であれば、敵の侵略も見え、防御もしやすいという狙いがあったようです。
そして、そのような歴史背景から形作られた村の1つが、今回ご紹介する標高427メートルの石山の上にある「エズ」です。
エズは、何と紀元前2000年には人が住んでいた形跡が残っている非常に長い歴史を持つ村です。
古くはローマ人やムーア人に占拠されたり、14世紀にはイタリアのサヴォイア家の管轄となり、要塞が作られました。