野々村元県議直撃のフジテレビ…警察沙汰になった過去も

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執拗な追跡劇に視聴者から「やりすぎ」との声も
執拗な追跡劇に視聴者から「やりすぎ」との声も

 3月22日の夜、情報バラエティ番組『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で、元兵庫県議の野々村竜太郎氏の直撃取材の模様がオンエアされ、久々にその近況が報じられた。昨年、世を賑わせた政務活動費の詐取では、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使容疑で1月に書類送検されていた。

 テレビに映った野々村氏は坊主頭に帽子姿で一見、以前の面影からは程遠いルックスだった。オンエアでは、団地の敷地内を同番組のリポーターが執拗に野々村氏を追い回し、たびたび接触して双方が「痛い!」と声をあげるシーンが映し出されていた。野々村氏とレポーターが延々と団地内を駆け回る様子に、ネット上で「やりすぎ」という批判の声が殺到し、番組側のモラルを問う声が湧き上がった。

フジテレビが野々村氏と揉めたのは2度目?

 一方、オンエアを見た地元紙社会部記者は、「前々から野々村氏へのマスコミの取材合戦がひどく、実家がある大阪・住之江周辺で取材側とのトラブルがあったと聞く。書類送検されて議員辞職もしたので、一応は私人です。あんな形で追い回すのはさすがにやりすぎでしょう」と話す。一方、大阪在住のフリーの週刊誌記者は「以前にもフジテレビと野々村氏は取材をめぐってもめていた」と証言する。

「今年1月頃にも、野々村氏への取材を巡ってはフジテレビの取材クルーと揉めたという話が関西の記者の間で駆け巡りました。製作会社が先走りしたのかもしれませんが、最終的には警察沙汰になったということでした。もっとも警察のほうも特に事件化にはせず、野々村元県議、取材クルー双方の言い分を聞いて仲裁して終わったそうです。そのときもかなりつきまとったと聞きました。結局、こちらはオンエアされなかったとらしい。今後こういうことが続くと、地元マスコミとしての取材が難しくなりそうです」

 こうした事案は他にも、STAP細胞問題で注目された理化学研究所の小保方晴子さんにNHKの記者とカメラマンが追い回して全治2週間の怪我を負わせたというものもある。

 マスコミの取材手法には視聴者からその賛否に関して様々な声がネット上で上がっている。全国紙地方支局の記者のひとりは、「在京キー局の取材手法は昨年10月の神戸女児殺害事件、最近では淡路島・洲本市の5人男女殺人事件でも地元マスコミからの顰蹙を買っている」と地元マスコミの声を代弁する。

「事件発生の翌日に、大勢でやって来て現場をかき回す。事件の当事者だけではなく捜査に当たっている警察関係者や地元住民にもカメラを向けて記者が矢継ぎ早やに質問する。なので周辺住民は迷惑し、事件発生後2日もすれば誰も取材に答えてくれなくなる。小学生の子どもにまで5人くらいの大人が囲んでよってたかって質問を浴びせる。大手の在京キー局の取材手法、とくに情報バラエティ系の制作会社の取材体質には、同業者とはいえ疑問を感じざるを得ない」(全国紙地方支局記者)

 事件当事者、関係者への取材のあり方が議論される今、マスコミの「取材モラル」について考え直す時期が来ているのではないだろうか。

(取材・文/川村洋)

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