CGをぶっ飛ばす! 1万5000人の兵隊を実際に投入した戦争映画 (3/6ページ)
そんな冷戦という世界中が緊迫いている状況で、西側のプロダクションでイギリス人とアメリカ人の俳優を起用する『ワーテルロー』を作ろうと、イタリア人のラウレンティスは東側のソ連へ行き、ソ連のセルゲーイ・フョードロヴィチ・ボンダルチューク監督に交渉したのです。そして、見事、ボンダルチュークを監督に迎えることとなり、『ワーテルロー』をソビエト連邦で撮影するだけでなく、ロシア人とロシアの備品や設備を低価格で使用させてもらうことに成功したのでした。
この命知らずな行動があったからこそ、赤軍は騎兵軍や訓練されたエンジニアを含む、1万5000人の兵士をエキストラとして起用することが可能になったのです。
こんなにも多くの人を思い通りすることで、ボンダルチューク監督は「セット」を神々しく見せています。撮影はウージュホロドというウクライナの街近くの農場で行われ、ベルギーで実際に行われたように見せるため、エンジニアが5マイル程の道を作り、数千本の木を植え、農家のレプリカを戦場の真ん中に建設し、ブルドーザーで丘をふたつ削ったのです。
それだけでなく、ボンダルチューク監督は実際の軍を使って戦わせました。前述の通り、1万5000人のソビエト連邦の兵隊(「戦場」の横に設置されたテントで寝泊まりしていた)がエキストラとして起用され、ナポレオンの兵士同様に数ヶ月間の訓練も受けています。また、このうちの2000人は、撮影されながらマスケット銃を装弾し撃つという強化特訓が課せられました。それだけでなく、この訓練の間に、ナポレオンのようなヒゲを伸ばすようにと命じられたのです。