医療革命!? 3Dプリンターで作る「添え木治療」が子どもの重病を救う (1/2ページ)
10年前だったら絶望的だったのかもしれない。しかし、かつては手の施しようがなかった病気をかかえた子供が、新しい技術による対処で元気に生きながらえている。その技術の核となったのが3Dプリンターだ。ミシガン大学ヘルスシステムのウェブサイトが報じている。
■ 3Dプリンターで気管の“添え木”を作る
気管気管支軟化症という病気がある。重度のケースでは、気管が一時的につぶれてしまい、呼吸ができなくなる病気だ。少し前まで治療法はなく、生き延びることが非常に難しい病気だった。
Kaibaくん、Garretくん、Ianくんの3人もこの病気の患者だ。Kaibaくんは、生まれてまもなく酸欠で青くなった。ギャレットくんは生まれて最初の1年を病院のベッドで人工呼吸器につながれて過ごし、栄養は静脈を通じて摂取した。食べ物をうけつけられる身体ではなかったからだ。イアンくんは、6ヵ月になる前にいちど心停止を起こした。
その3人は、世界で初めてこの治療を受けた。3Dプリンターで、生体吸収性の“添え木”を作り、それを気管に埋め込む手術を受けたのだ。彼らに人工呼吸器や、鎮静剤、麻酔薬は必要なくなり、免疫不全を引き起こすタンパク質からも解放されたことで、食物を摂れるようになったため、静脈からの栄養補給も必要なくなった。
“添え木”は、レーザーを使った3Dプリンターを使って、気管のCTスキャンデータから直接作られる。添え木は、気道の周囲に、気管と気管支をを広げるように縫合されるとともに、適切な成長をするような骨格も与えられる形になっている。

■ “添え木”は組織に吸収されていく
そして添え木は、やがて身体に溶け込んで吸収されるようになっている。気道の成長は、CTとMRIの検査によってその後も観察され、3人のケースでは順調に気道の成長をうながしていることがわかった。