『ガッチャマンクラウズ』新時代のヒーロー論 (1/3ページ)
タツノコプロが制作した往年の名作アニメ『ガッチャマン』。科学忍法を駆使して悪の秘密結社と戦う勧善懲悪のヒーローアニメだ。
そんな『ガッチャマン』の名を冠する作品として2013年に放送されたタツノコプロ50周年記念の新作アニメ『ガッチャマンクラウズ』。
『妖〜AYAKASHI〜』や『C』『つり球』といった多くのノイタミナ作品を手がけてきたクリエイター『中村健治』さんが監督を努めた、まさに今までのガッチャマンを一蹴するような新世紀のヒーロー像を形成したアニメだ。
すでに今夏から第二期にあたる『ガッチャマンクラウズ インサイト』の放送が決定しているこの『 ガッチャマンクラウズ 』ってなんスかね なんなんスかねということで、第二期放送に備え今作をレビューしていきたいと思う。
■最早別物!? 一新されたストーリー
2015年冬アニメとして放送された『夜ノヤッターマン』は、正義の象徴であるところのヤッターマンを人々を掌握する悪として描き、ドロンボー一味をヤッターマンに抗う主人公とする一新された脚本に驚かされたが、『ガッチャマンクラウズ』は最早別物の作品として確立されているほど設定やあらすじは一新されている。
舞台は第二の都市機能を有する2015年の東京都立川市、ほぼすべての人々が『GALAX』と呼ばれる巨大なSNSに依存して生活をしている架空の世界。
ここではかつてのガッチャマンは都市伝説やフィクションのように信じられていた。
天真爛漫な女子高生・一ノ瀬はじめは、突如として現れた謎の老人から『ガッチャマン』に変身できる手帳型のデバイス『NOTE』を貰い受けるところから物語は始まる。
半信半疑だったはじめの目の前に飛び込んで来たのはガッチャマンとして戦う橘清音とGメンバーたちだった。