究極の抹茶づくりで「消えゆくモノ」に光を (1/2ページ)
今、日本だけでなく海外でも抹茶は人気を博している。健康的な和食ブームや茶の機能性が注目されているようだ。『抹茶』の背景にはどんな風景が広がっているのだろう。
■ 200年以上の歴史をもつ茶園
創業から220年以上京都府城陽市で茶園を営む株式会社孫右ヱ門(以下、孫右ヱ門)は、現在碾茶づくりを専門とし、全国の品評会で常に上位を占めるほど、その品質に定評がある。
煎茶が露地栽培されるのに対して、碾茶は玉露と同様に収穫前に一定期間覆いをする。日光を遮ることで、渋みが少なく旨みが新芽に多く蓄積する。玉露と異なる点は、茶葉を揉まずに仕上げること。覆下栽培した茶の生葉を、揉まずに乾燥した茶葉を茶臼でひいて微粉末にしたものが抹茶だ。

■ こだわりの製法と品質
抹茶にも様々なグレードがある。例えば、手で摘み取るのか機械で刈るのか、最も旨み成分が多い一番茶だけなのか二番茶や秋番茶まで使うのか。また現在は一般に茶畑の被覆には化学繊維の『寒冷沙』が用いられるが、究極の品質は、安土・桃山時代から伝わる『ほんず製法』によることが知られている。こうした製法の違いで、茶の湯用や調理加工用、業務用などの用途に分かれる。
孫右ヱ門では、イワシやニシンなどの有機肥料をたっぷり使用し、年に一度一番茶だけを丁寧に手摘みすることにこだわる。被覆には『寒冷沙』も使うが、『ほんず製法』を継承し、より高品質の抹茶づくりにチャレンジし続けている。

『ほんず製法』は、『よしず』と『わら』で層をつくり、微妙な加減で光を遮ることで、柔らかい茶葉が育ち『覆い香』とよばれる高貴な香りが生まれる。