最強のセキュリティとなるか?言葉に対する脳の反応から身元を特定する技術(スペイン研究) (1/3ページ)
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普段何気なく話している言葉だが、個人から発せられた言葉から、その人の性質がわかってしまうそうだ。日本のことわざに「名は体を表す」というものがあるが、「言葉も体を表す」ということになる。
最新の研究によると、言葉を発した時の脳波で、高い確率で個人を特定できるという。
スペインにあるバスク認知・脳・言語センター(Basque Center on Cognition, Brain, and Language)のブレア・アームストロング氏率いる研究チームは、被験者45名が頭字語(FBIやDVDなど、頭文字を並べた単語)を読む際の脳波を記録し、コンピューターでその差異を検出した。すると、被験者の反応は、実験再現時に同プログラムが94パーセントの精度で被験者を特定できるほどに異なっていたという。
この結果は、セキュリティシステムが脳波から個人の身元を確認できる可能性を示唆している。94パーセントという数字はセキュリティ上十分ではないものの、幸先のいいスタートだろう。
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脳波を利用した個人特定技術
脳内の電気信号から個人を特定する技術は、これまでにも開発されてきた。パスワードや指紋認証がその時点のみの認証であるのに対して、脳波を利用した技術では継続的に身元を確認できるという利点があるからだ。顔認証や耳介認証、あるいは脳活動認証などの継続的認証システムを利用すれば、理論的には機器ごとに何度もパスワードを入力することなく、個人が同時に複数のコンピューターシステムを利用できるようになる。
だが、これまでのところ、脳波全体を測定するときに発生するノイズによってその解析が困難とされてきた。