デング熱の次はマラリア?医師が流行の可能性を指摘 (2/2ページ)
そんな中、那覇に工場を持つある企業が、バイオ燃料の原料としてフィリピンからサトウキビを輸入していることに着目した直子は、そのサトウキビのコンテナにマラリアの「運び手」となるハマダラカが紛れ込み、日本に入ったのではないかという仮説を立てる。その後、那覇市の蚊の分布を調査し、掃討したことで那覇のマラリア騒動は一旦は沈下したのだが、その直後にフィリピンで不可解な出来事が起こる。
同国のセブ島で暮らす日本人移住者たちが、こぞって日本に帰国しはじめたのだ。そしてその理由は「マラリア」。
那覇とセブ島、短期間のうちに二つの場所で起こったマラリア騒動にどんなつながりがあるのか?物語は急展開を見せる。
このストーリーはフィクションだが、本書では気候や環境などあらゆる面で、日本はいつマラリアが流行しても不思議ではなくなっていることが示される。疫学や生物学など、医師である著者ならではの豊富な知識に裏付けられた物語には説得力がある。
なかでも、日本でのマラリア感染のカギになっているのが「産業構造」と「経済」そして「テクノロジー」だ。これらがマラリアとどのように関わってくるのか。ぜひ本書を読んで確かめてみてほしい。
(新刊JP編集部)