神のご加護があれば死体は腐らない?イタリアにある聖人の不朽体 (1/4ページ)

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神のご加護があれば死体は腐らない?イタリアにある聖人の不朽体
神のご加護があれば死体は腐らない?イタリアにある聖人の不朽体

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 ここで紹介するのは、イタリア周辺で信仰されてきた聖人の不朽体(聖人の遺体のこと)だ。白骨化した部分もあるが、死後数百年経っている割には極めて保存状態がいい。カトリック教会によれば、神の御業によって死後も腐敗しない者がいるという。それは彼らの神聖さの証なのだ。

 不朽体からは甘く芳しい神聖な香気が漂うという。不朽体であると認定されるには、防腐処理やミイラ化はご法度であり、自然のまま残されていなければならない。しかし、多くの聖人はもともと安置されていた場所から移動する際に、別の処理を受けている。それらは認められているもので、ろうや銀で覆う、あるいは石炭酸に浸すという方法がある。

 そうした意味で、どこまでが不朽体で、どこからが防腐処理を受けた遺体なのか区別することは難しい。かつて不朽体は永遠と考えられていたが、長い年月を経るうちに多くの聖人が単なる骸骨でしかなくなってしまった。今では教会は不朽体を奇跡に数えておらず、神の好意の証のようなものと考えている。

 ローマ、サンタ・ドロテア修道院の聖パウラ・フラッシネッティ。1882年の死後、遺体は石炭酸に漬けられた。」

 ローマ、サン・フランチェスコ・ア・リーパ・グランデに祀られるセッツェの聖カルロのろう人形。遺体は後ろに置かれた祭壇の下に安置されている。

 ジャーナリストのエリザベス・ハーパーが撮影した聖人のうち、聖パウラ・フラッシネッティはローマのサンタ・ドロテア修道院のガラスケースの中に展示されている。パウラは1809年イタリア、ジェノアに生まれ、シスターズ・オブ・セント・ドロシーという修道会を設立し、貧しい人の救済に生涯を捧げた。1882年に没し、1906年に不朽体に認定された。ほとんど白骨化してしまったが、顔の表情だけは石炭酸のおかげで綺麗に残っている。

 1572年に没して、銀による防腐処理を受けた不朽体が第225代ローマ教皇ピウス5世だ。

 体の一部分のみが不朽体になることもある。
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