都内で富士山パワーを存分にいただく「富士塚」登山のススメ (1/3ページ)
神社に行った時に、境内の奥深くにゴツゴツとした岩が盛られたようなモノがある……そんな光景を見かけたことはありませんか?
実はそれ、ミニチュア版の富士山なんです。よーく見るとその小さな”こんもり”には細い道がついていて……今日はそんな簡単に近所でお参りできる上に、ご利益満載といわれる不思議な塚「富士塚」についてご紹介します。
富士塚は庶民の夢と希望の象徴だった
富士塚とは、富士山を模して作られた人造の小さな山です。表面を富士山から運ばれた溶岩(黒ボク石)で固め、合目を表した参道を作り、頂上には祠や石碑を拝して本物の富士山のリアルさを追求しています。
今でも富士山といえば日本の象徴の1つですが、もちろん日本人は縄文時代の昔から、富士山を神として崇めてきました。その富士山信仰の象徴が今でも静岡県と山梨県に存在している浅間神社です。特に静岡県の富士山本宮浅間大社は、富士山の八合目より上が富士山本宮浅間大社の敷地で、頂上には奥宮が鎮座します。富士山は霊山であり、その恩恵を手軽に近所で受けられるようにと作られたのが各地の神社にある富士塚なのです。
江戸時代には「富士講」と呼ばれる「富士山詣ツアークラブ」のようなものが大流行しました。富士山巡礼の旅は高額の費用と多くの日数が必要だったため、講と呼ばれるグループを作って皆で会費を貯め、グループの数人を代表として富士参拝に行かせ皆でご利益を分けあうものなのですが、その信仰の証として、全国に浅間神社の系譜をもつ神社やミニチュアの富士山が作られました。
そして富士山の山開きの日に合わせて小さな富士塚を登ることで、富士山と同じ霊験を得られるとしたのです。そんな富士塚は、江戸時代から人々に「お富士さん」と呼ばれて親しまれました。
江戸時代に流行した「講」で1番有名なものは伊勢講です。この講というシステム、メンバーの全員に参拝の順番が回ってくるようになっていて、会費さえ払っていれば、いつかは皆の出しあったお金で自分も憧れのお伊勢参りができるという素晴らしいシステムであったわけです。
庶民にとって伊勢や富士山への参拝は、一生に一度と憧れる旅。