厚労省「マイナンバー収賄で室長補佐逮捕」の歩き方 (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

画像は政府広報オンラインより
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 やまもといちろうです。金を払ってでも取りたい案件があるなら、何をするか考えるのが好きな方です。

 ところで、マイナンバー制度の実行に伴い、厚労省のデータ関連政策を一手に扱っていた部門の室長補佐であった中安一幸さんが逮捕されるという事件が勃発し、結構意外だなという話になっております。というのも、いろいろ報道では風体や雰囲気が役人らしからぬ中安さんは、この手の界隈ではそれなりの著名人であり、研究者方面にもいろんな便宜を図ってくれる「まともなお役人」風情だったからであります。

「マイナンバー」収賄、逮捕の厚労省室長補佐が容疑認める

「1兆円市場」群がるIT業者 大規模システム、大手有利で中小苦戦

 担当職務が文字通りマイナンバー絡みだっただけに、人呼んで「マイナンバー汚職」などというありがたくもない蔑称がついてしまった本件なのですが、もともと税と社会保障の公的情報については大変な非効率を、国税庁、厚労省その他各省庁職員に強いていたことを考えると、1兆円で合理化できるのであればむしろ安いものだという世界の話です。

 それゆえに、世間の財布勘定からすると「そんな多額の利権を差配するのに汚職で絡むのはけしからん」という話になりやすいんでしょう。実際、システム開発で中小規模のシステムベンダーが請ける余地など実はほとんどないので、中堅以下のところはどうにかして受注に漕ぎ着けたいという気持ちが強かったのかもしれません。

中小企業でも参入可能

 産経新聞でも一部指摘がありますが、マイナンバー施行前の医療法人向けシステムはどこも「一品モノ」で、中小の開発会社でも食い込みようは幾らでもあり、大手は官公庁向け、中堅から中小は各医療機関向けの電子カルテや患者管理用のシステムをちまちまと請けるという棲み分けがあった世界です。

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