生涯ライオンズ…「独特の美学」を貫いた西口文也のプロ野球人生 (2/3ページ)

デイリーニュースオンライン

 オフの契約更改で提示された年俸は3億円だった。庶民からすれば夢のような「お給料」だが、西口が脂の乗り切ったころと前後して、イチローは年18億円(人生総額190億円)、同じ投手の黒田博樹などドジャースと3年総額約35億円という契約を果たしている。

 実際は税金で半分ほどもっていかれてしまうが、それでも、17億円もあれば自宅が何倍も大きくなる。自家用ヘリコプターも楽々買えるし、高級車も買い放題だ。手に入らないものなど、ほぼなくなる。しかし、西口は、メジャーはおろか国内FAすら見向きもなかった。

200勝できなくとも「もちつもたれつ」

 埼玉西武ライオンズは12球団でいちばんFA移籍した選手数が多い。工藤公康、清原和博、石毛宏典、松井稼頭央、片岡治大、涌井秀章、中嶋裕之などなど……押しも押されもせぬレギュラー選手が何人も球団を去っている。ちなみに2015年度の年俸総額は24億円、12球団9番目である。

 これらの選手は、恩ある人の言葉に従ったり、球団環境を変えてモチベーションを高めたかったり、あるいはメジャーという高みに挑戦して自分を試したかったかもしれない。決して「お金」だけが宣言の要因ではなかったはずだが、「チームを変われば何倍もお金がもらえる」という欲がまるでなかった人など絶対にいない。

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