魔裟斗、KIDらが続々参戦する大晦日格闘技イベントの呪縛 (2/2ページ)
視聴率重視のマッチメイク
そして、こうしたマッチメイクには、当然、疑問の声も上がっている。前出・ジャーナリストが続ける。
「まず『KYOKUGEN2015』に登場するKIDは、UFCの契約選手。UFCは他団体での試合を認めておらず、今回の魔裟斗との再戦は、あくまで〝アトラクション〟とされています。そのためか、グローブは通常練習用として用いられることもある14オンス。これでは真剣勝負などできるはずがない。『RIZIN』の曙とサップも名前はあるが、試合としてはさほど期待できない。元大相撲・大関の把瑠都(31)が総合デビューする相手も、ビッグネームだが全盛期は過ぎたジェロム・レ・バンナ(42)。視聴率重視の人選なのは明らかでしょう」
2004年に対戦した魔裟斗と山本〝KID〟徳郁の試合は、31.6%を記録。民放の同時間帯の番組では、初めてNHKの紅白歌合戦を超える快挙を成し遂げている。
果たして、10年ぶりに復活を遂げる年の瀬の格闘技イベントは成功するのだろうか。そして、格闘技ブーム復活の火種になり得るのか注目だ。
- 佐々木浩司(ささき・こうじ)
- 80年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野はメジャーリーグ、プロ野球、サッカー、格闘技など。