「グラブル」運営にユーザー激怒…人気声優「ステマ疑惑」にも飛び火

デイリーニュースオンライン

CM大量出稿で知名度は上がったが(公式HPより)
CM大量出稿で知名度は上がったが(公式HPより)

 人気ソーシャルゲーム『グランブルーファンタジー』(通称グラブル)が大炎上している。ガチャイベントで極端に出現率の低いキャラクターが存在すると騒がれ、それが「有利誤認ではないか」と騒動に。さらに、複数のレアキャラクターを引き当てた人気声優に「ステマ疑惑」が持ち上がるなど波紋が広がっている。

70万円以上使っても出ない「レアキャラ」

 グラブルは2014年のスタートから高い水準の人気を維持し、現在は登録者数700万人を突破。ゲームをプレイしたことはなくとも「グラブってる?」のフレーズで大量に放映されているCMを目にしたことがある人は多いはずだ。

 そのグラブルが炎上したきっかけは、年末年始のガチャイベントに出現した申年限定の新キャラクター「アンチラ」。事前に「期間限定で特定キャラ(アンチラ含む)の出現率アップ」と告知されたが、同じレアリティの他の対象キャラと比べてアンチラの出現率だけが異常に低いとの声が続出した。

 そんな中、ニコニコ生放送でアンチラを引くまでガチャを延々と回し続ける猛者が出現。獲得までにガチャ2276回、合計68万円以上が費やされた。さらに約75万円を費やしてもアンチラを引くことができずに爆死したユーザーも現れ、いよいよ“確率詐欺”との批判が高まった。

 また、同時期に登場した新キャラクター「ベアトリクス」の性能表記が実際の性能と異なっていたことに「優良誤認に該当する」との意見も噴出。さらに問題になったのが「アンチラ」と同じく有料限定キャラの「アニラ」をそろえるとキャラクターの能力が向上する「クロスフェイトエピソード」というクエストが実装される点だ。

 これが規制対象になった「コンプガチャ」(絵合わせ)に該当するとの批判が生まれたのである。事前に告知してなかったから問題ないとの意見もあるが、同ゲームのプロデューサーがネット生放送でそれをにおわせる発言をしていたために微妙な状況になっている。

 これらの問題に一部のユーザーは激怒し、消費者庁への通報や返金を求めたりといった行動に。さらに署名サイト「Change.org」では消費者庁による立入検査を求める署名活動が展開され、1月9日未明の時点で1000人以上の署名が集まっている。

運営が謝罪も…「論点がズレてる」と火に油

 この猛批判を受けて運営サイドは1月8日、ゲーム内で謝罪文を発表した。

 運営側は「お客様に大変ご不安の念を抱かせてしまっておりますこと、先ずお詫び申し上げます」と謝罪しつつ、ガチャの確率については「出現率アップの値は、それぞれの武器ならびに召喚石ごとに上昇しています」として不正はないと説明。また、ベアトリクスの性能表記については実際のスキル効果に合わせて「(説明文に)齟齬があったため文言表記を修正」したと報告している。

 だが「アンチラ」の出現率については触れられておらず、コンプガチャに関する疑惑も黙殺。いずれも騒動の核心であるだけに「説明になってない」「的外れにも程がある」「論点がズレすぎ」などと、さらなる批判が巻き起こっている。

「特定キャラの出現率も問題ですが、特にコンプガチャ疑惑はしっかり釈明しなければいけないはずです。また、グラブルがどうなのかはわかりませんが、悪質なゲームになるとガチャ課金すればするほどレアキャラの出現率が下がるというシステムが組み込まれていることもある。収益率が求められるあまり、運営側はコンプガチャ規制の二の舞になりかねない状況に突き進んでいる」(ソーシャルゲーム関係者)

「アンチラ」引き当てた人気声優に飛び火

 さらに騒動は意外なところに飛び火した。

 アニメ『ローゼンメイデン』の水銀燈役などで知られる人気声優の田中理恵が、1月1日に自身のTwitterで「新年1回目の10連で…で…出ました!アンチラさんーー!」とスクリーンショット付きで報告。数百回もガチャを回して爆死するユーザーが続出する中、10回でアンチラを引き当ててしまった。

 それ以外にも田中はレアキャラを次々とゲット。あまりの引きの強さに「ステマでは?」との疑惑が巻き起こり、かつて多数の芸能人が関与した「ペニオク事件」の再来ではないかとの声が強まっている。

 田中が「グラブル」のキャラクターの声を担当しているのも疑惑を深める要素になっており、さらに公開しているスクリーンショットの大半がガチャ獲得画面であるために「実際はゲームすらしていないのでは」との意見まで噴出した。

 その一方で擁護の意見も多く上がっており、以下のような賛否両論状態になっている。

「グラブルだけじゃなく有名人の引きの強さは異常だよね」
「どう考えてもサクラ、ペニオク芸能人と変わらん」
「いや、田中さんは普通に重課金で爆死もしてるから」
「友達は単発で引き当てたから10連一発で当たっても全く不思議じゃない」
「田中理恵はそれくらいの運は持ってる。最高レアの山寺宏一をリアルで引き当てた女だぞ」

 本人は騒動に触れておらず真相は不明だが、外野の論争が盛り上がっている状況だ。

 いずれにせよ、ユーザーの不満爆発で再び社会問題になりかねない要素をはらんできたソーシャルゲーム業界。ユーザーあってこその世界であるだけに、納得のいく説明と不透明さのない健全な運営を期待したいところだ。

佐藤勇馬(さとうゆうま)
個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。歌舞伎町や新大久保をホームグラウンドに飲み歩くのが唯一の楽しみ
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